バラのレスキュー

バラを育てようと思ったのは2〜3年前に国バラで見たコレがキッカケです。

「えっ?こんなバラって自由に鉢で育てていいの?」
お庭で地植えして優雅にやる園芸だとばかり思っていたのです。

お金も時間も贅沢かかるのがバラだと思っていました。

スリット鉢に専用の培養土を入れて、定期的な液肥に置肥、
ニームだったり、農薬だったりの散布、年に2回の剪定…
水やりも気難しそうだし、高度な専門知識が必要そうな予感。

「バラは玄人向けの趣味!! 定年迎えたら絶対やってみたいなぁ〜」

その後、フレグランス様のセミナーの抽選に当たって、
失礼ながら有名な方だとは知らず、行こうか大分迷って、
「定年まで待たなくても出来るかもっ!!」背中を押されました。

それでも勤労ナース主婦には向かないのでは?と躊躇していたのですが…

今ではすっかりバラ育て大好き病になってしまいました。

昨年12月…とあるお家の裏にあたる狭い北西側(?)でバラが何株も放置されていました。
その光景が余りにも痛々しくて、ショッキングでした。

朽ちた鉢や、底穴の無い漬け樽や、スーパーのビニールに土が入っている劣悪な環境です。

多分、水やりすらしていないのでしょう…
ジョーロもホースも見当たらないお宅でしたから…
枝だけ残して枯れている株や、僅かな葉で光合成している株や、
病気で瀕死の株もありました。

涙が出そうな位に酷い状態でした…バラだって私達と同じ様に生きているのにね。

お水が欲しい、栄養が欲しい、そんな事を訴える事が出来ないバラ。
枝振りから察するに、以前は大変な愛情を注がれている事がわかりました。
我が家には里子のワンコがいますが、生きモノを引き受けるのには重い責任が必要です。
可愛いだけで迎えるのはお互いを不幸にします。もう悲しいとしか言えません。

バラだって同じだよ〜何でこんな可哀想な状態なの?

元のオーナー様から受け継いだモノの、育て方もわからずに持て余してしまった様です。
時々、切り花を生けてあるお家なので、お花は嫌いではない様なのですが、
手間隙かけてと言うのが面倒っちータイプの方カモ…とお見受けします。

バラ栽培を始める前の思い込みが強かった私。お気持ちは少しわかります。

ロザリアン1年生の私が言う事では無いですが、
コツさえつかめば、バラは決して難しいモノではなく、
楽しい趣味になると考えます。
沢山の感動と喜びで満たされるのは間違いありません。

瀕死の株も含め、ありったけ車に乗るだけレスキューしました。
鉢からバラを抜く事から始めましたが、ガチガチに固まった土で苦労の連続。
鉢底から出まくりの根を切っても抜けず、のこぎりで鉢を切断。
カビやら、虫やら…次々出て来て、もう気持ち悪くて、気が遠くなる作業。
コンクリート化した土と、何故か砂利をいっぱい抱き込んでいる根を解放し、
メネデール水に一晩つけて…翌日バイオポストを根にまぶしました。
バラの家様の培養土にバッドグアノを少量…新しいスリット鉢に植え替え。
1ヶ月程の隔離中、消毒と活力剤の散布を繰り返し、沢山の文献を見つつ試行錯誤。
すべてを再生出来なかったモノの数株助ける事が出来ました。

このレスキューを経験して思った事…バラって強いんだなぁ〜ってコト。

生き残ったのは強健種だったのかもしれません。
名無し・花無しのバラなので品種特性を調べる事が出来ない…
でも、あれだけの惨状でもたくましく生きていたバラ。

限りなく無農薬に近い、減農薬栽培を目指している、私のバラ園芸。
大変、貴重な経験をしました。

只今、バラの開花シーズン…幸せそうな蕾に穏やかな時間が流れています。

今年はとても悲しい災害がありました。
放送時間は減ったケド、日々被災地の現状から目を背けない様にしています。
絶対に幸せで穏やかな生活は取り戻せると思います。

我が家に仲間入りしたバラの様に微笑む日を願って…

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